認定 Platform Sharing and Visibility アーキテクト合格体験記

認定 Platform Sharing and Visibility アーキテクト合格体験記

みなさん、こんにちは!
Salesforceエンジニアの森川です。
今回のテーマは「認定 Platform Sharing and Visibility アーキテクト試験の合格体験記」です。短期集中で基礎を固め、合格まで駆け抜けた学習戦略を、実体験を交えながらわかりやすく解説をしていきます。

1. Salesforce 認定 Platform Sharing and Visibility アーキテクトとは

Salesforce認定 Platform Sharing and Visibility Architect は、Salesforce上の「誰が・いつ・どのデータに・どこまでアクセスできるか」を設計・統制する力を証明する資格です。OWD/ロール階層/プロファイルと権限セット/共有ルール(所有者・条件)/チーム・キュー、Experience Cloudの外部共有、Apexマネージド共有、with/without sharing の使い分け、データスキューや再計算を見据えた性能設計まで、実運用のセキュリティを多面的に問われます。

この資格を取得すると、複雑な組織・権限構造や外部公開を伴う環境でも“安全で壊れない”共有モデルを設計でき、監査・コンプライアンス要件への適合や運用負荷の最適化に貢献できます。管理者・セキュリティ担当・アーキテクトのキャリアアップに直結し、Application Architect へのステップとしても有効なため、Adminを土台に実践でセキュリティ設計をリードしたい中級~上級者に特に推奨されます。

2. 受験を決めた理由

最近、実務で権限と共有の設定に触れる機会が非常に増えました。これまでは「以前と同じ対応をすればよい」と判断して進めてしまう場面もありましたが、目的と根拠の説明、標準機能とApex共有の使い分けが求められるケースもあり、感覚ではなく再現性のある設計へ切り替える必要がありました。

また、日頃扱う領域はどうしても限定的で、まだ深く触れていないOWD/ロール/共有ルール/権限セットからApex共有、再計算・データスキュー、外部共有まで体系的に整理設定や機能が多いと感じていました。視野を広げ、未知の選択肢を増やすためにも本試験を受験しました。

3. 学習計画

  1. 受験ガイドを精読
    ・出題分野・配点・制限時間など全体像を把握。
  2. 動画視聴
    【機能紹介】Salesforceの共有設定をマスターしよう! 〜 Sharing & Visibility
  3. 過去問演習
    過去問で検証し、誤答は動画、公式ドキュメントやその他WEB検索で根拠を裏どり
     ※↑ 私自身が勉強するうえで作成した解答解説付きの過去問集です。

学習ループは 「過去問演習 → 誤答原因の特定 → 公式ドキュメントで検証 → 動画視聴で定着」。この反復で合格に到達しました。視聴はのべ30回以上、過去問は少なくとも5周は実施。

やらなかったこと

  1. Trailheadは未実施
    ・基礎は実務で担保できており、合格までの時間対効果を優先。

4. 試験当日の立ち回り

  • 受験スタイル
    いつも通り、会場受験(テストセンター)を選択。開始前は目を閉じて深呼吸し気持ちを整えます。オンラインはトラブル時の対処が読みにくいため、会場受験を優先しています。
  • 当日のトラブル対応
    今回は会場でも通信エラーが発生し、体感2〜3分ほど回答できない時間がありました。初めてで驚きましたが、「最悪はスタッフを呼べばよい」という前提を置いていたので慌てず待機。数分で復旧し、そのまま続きから再開できました。
  • 解答ペース
    1問あたり30〜60秒を目安に進行。迷った問題は即フラグを付けて後回しにします。
  • メモと図解
    鉛筆と紙が支給されるので、文章で複雑な設問は関係図をさっと描いて整理します(例:所有者→ロール→共有ルールの流れなど)。
  • フラグと見直しの運用
    ・残り時間によって場合分け
     ・30分未満:フラグ付きのみを優先的に見直し。
     ・30〜60分:フラグを中心に、取り違えやすい問題も追加確認。
     ・60分以上:全問ざっと見直し。操作ミスや読み違い、選択肢の取りこぼしがないか最終チェック。
     私は60分以上余ったので、全問見直しをしました。

5. 合格して得られたもの

認定 Platform Sharing & Visibility Architect の学習を通じて、OWD/ロール階層/共有ルール(所有者・条件)/チーム・キュー、Experience Cloud の外部共有モデル、Apex マネージド共有までを一気通貫で整理できました。

特に Share レコードの RowCause(共有理由) と運用の関係、Manual 常用のリスク、再計算・データスキューなど性能面の勘所を押さえることができました。

あわせて、組織やユーザー画面を開いた瞬間に「誰が・なぜ見える/更新できるのか」を、OWD、共有ルール、ロール/チーム、Apex 共有の観点で説明できるようになりました。アクセス不具合の原因特定は短時間で対応できるようになり、実装・運用の品質が底上げされたと感じております。

6. まとめ

いかがでしたでしょうか。

Sharing & Visibility は、「誰が・いつ・どのデータに・どこまで触れるか」を再現性と説明責任をもって設計できるかを問う実務直結の試験です。ここで身につくのは、OWD/ロール/共有ルール/権限セット/チーム/外部共有といった宣言機能の土台に、Apex共有の適用境界、さらにRowCause(共有理由)や再計算・データスキューまでを含めた“壊れない共有モデル”の判断軸。

忘れてはならないのは、合格がゴールではなく現場標準化のスタートであること。次の案件から、要件 → 最小権限 → 運用/監査 → 性能の順に意思決定する“自分ルール”を持ち込みましょう。

あなたの設計は手戻りを減らし、レビューを速くし、安心してスケールできる組織をつくります。

7. お問い合わせ

現在Salesforceを効果的に活用できていない企業様や、これからSalesforceの導入を検討している企業様で、設定や運用、保守に関するサポートが必要な場合は、ぜひお気軽にご相談くださいませ!

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