【アドミニストレーター必読!】Salesforce標準オブジェクト関係性マップの極意

【アドミニストレーター必読!】Salesforce標準オブジェクト関係性マップの極意

みなさん、こんにちは!
Salesforceエンジニアの森川です。
今回のテーマは、Salesforceの「Salesforce標準オブジェクト関係性マップ」です。
Salesforceを活用する上で、標準オブジェクト同士の関係性を正しく理解することは非常に重要です。本記事では、営業から受注後のサポートに至るまで、広く使われる標準オブジェクトたちの役割と関係性を整理し、体系的にご紹介します。

Salesforce標準オブジェクト関係性マップ

1. 主要標準オブジェクトとその役割紹介

ここでは、今回取り上げる10個の標準オブジェクトについて、基本的な役割を簡潔に説明します。

オブジェクト名役割
取引先(Account)企業・団体などの顧客情報を管理するオブジェクト
取引先責任者(Contact)取引先に所属する個人(担当者)情報を管理
商談(Opportunity)取引先との具体的な商談・案件情報を管理
リード(Lead)見込み顧客(まだ取引先化していない情報)を管理
キャンペーン(Campaign)マーケティング施策(イベントやキャンペーン)情報を管理
ケース(Case)顧客からの問い合わせやサポート案件を管理
契約(Contract)顧客との正式な契約内容を管理
商品(Product2)取り扱う製品・サービス情報を管理
価格表(Pricebook2)商品に紐づく価格リストを管理
見積(Quote)商談に関連する見積書情報を管理

2. オブジェクト同士の関係図(エンティティリレーション図)

CRMの中核:取引先、取引先責任者、商談の三角関係

Salesforceデータモデルの中心は「取引先(Account)」です。この取引先を起点に、以下の重要な関係が形成されます:

取引先と取引先責任者:一つの企業(取引先)に複数の担当者(取引先責任者)が属する一対多の関係です。
取引先と商談:取引先に対して複数の商談(販売機会)が紐づく一対多の関係です。
取引先責任者と商談:直接の親子関係はなく、「商談責任者ロール」を介して連携します。これにより、商談における意思決定者や評価者などの役割を明確化できます。

この三角関係がCRMの基盤となり、「誰が」「どの企業で」「どのような商談に」関わっているかを把握できます。

見込み客からの変換:リードの流れ

「リード(Lead)」は独立したオブジェクトで、見込み客情報を管理します。リードが有望と判断されると「コンバート」され、以下のように変換されます:

  1. リードの企業情報 → 取引先レコード
  2. リードの個人情報 → 取引先責任者レコード
  3. 商談の可能性 → 商談レコード(オプション)

この変換過程でデータが適切に引き継がれるため、マーケティングから営業への円滑なバトンタッチが実現します。

マーケティングとセールスの連携:キャンペーンの関係性

キャンペーン(Campaign)オブジェクトはマーケティング活動を管理し、以下の関係を持ちます:

キャンペーンとリード/取引先責任者:「キャンペーンメンバー」というジャンクションオブジェクトを通じて多対多で関連付けられます。
キャンペーンと商談:直接的な関係はありませんが、「キャンペーンインフルエンス」によりマーケティング活動の営業成果への貢献度を追跡できます。

これらの関係により、マーケティング投資からの収益(ROI)を測定できます。

商品管理のオブジェクト群:価格と提案

商品関連のオブジェクトは独特の構造を持ちます:

商品(Product2):販売する製品・サービスの基本情報を管理
価格表(Pricebook2):顧客層や地域別の価格体系を定義
価格表エントリ:商品と価格表を結び、具体的な価格を設定
商談商品:商談に含まれる商品の内容と数量を管理
見積(Quote):商談に基づく正式な提案を管理

この構造により、同じ商品でも顧客層や地域によって異なる価格設定が可能になります。

アフターセールスの関係性:ケースと契約

販売後のサポートと契約管理も重要な関係性を持ちます:

ケース(Case):サポート要請を管理し、取引先と取引先責任者に紐づきます。
契約(Contract):取引先との合意事項を記録し、サービスレベルやサポート条件の基準となります。

ケースと契約を連携させることで、契約条件に基づいた適切なサポート提供が可能になります。

6. まとめ

いかがでしたでしょうか。

標準オブジェクトのつながりを理解することは、Salesforce を「点在するデータベース」から「一貫した業務基盤」へ引き上げる第一歩です。

取引先 (Account) を中心に、リードの育成・商談の進行・契約締結・サポート対応までの流れが一本のラインで結ばれれば、部門間の情報断絶や二重入力は激減し、顧客体験も向上します。さらに、オブジェクト間の“親子”や“多対多”を正しく把握しておけば、レポート設計や自動化フローの設定、さらには拡張開発時の判断まで精度が格段に高まります。

迷ったときは、本記事の関係性マップを開き「このデータはどこを起点に、どこへ流れるのか」を確認してください。

7. お問い合わせ

現在Salesforceを効果的に活用できていない企業様や、これからSalesforceの導入を検討している企業様で、設定や運用、保守に関するサポートが必要な場合は、ぜひお気軽にご相談くださいませ!

    お問い合わせ目的

    Salesforceカテゴリの最新記事