【アドミニストレーター必読!】Salesforce代理ログインの極意

【アドミニストレーター必読!】Salesforce代理ログインの極意

みなさん、こんにちは!
Salesforceエンジニアの森川です。
今回のテーマは、Salesforceの「代理ログイン」です。
代理ログインの概要から、その重要性、そして設定方法まで、実践的な視点を交えて解説していきます。

代理ログインとは?

1. 代理ログインの定義

代理ログイン(Login as another user)は、Salesforceのシステム管理者が他のユーザーのアカウントに直接ログインし、そのユーザーの視点からシステムを操作できる機能です。この機能を使用することで、管理者はユーザーが直面している問題を直接確認し、効果的にトラブルシューティングを行うことができます。また、新機能のテストや設定の確認にも活用でき、様々な用途で活用されます。代理ログインではユーザーのパスワードを必要とせずにアクセスできるため、企業のセキュリティポリシーを維持しながら、効率的なサポート体制を構築できます。

2. 代理ログインの主要なメリット

ユーザー視点での問題解決が可能

特定のユーザーが遠隔でのサポートを必要とする際に代理ログインを使用すれば、インターネット経由で問題の原因を特定・解決できます。管理者は一般ユーザーの視点でSalesforceを使用でき、ユーザーが抱える問題、ユーザーが見る画面表示を理解しやすくなります。これにより説明や指示のやり取りだけでは解決が難しい状況でも、直接的かつ迅速なサポートが可能になります。

システム変更の事前検証が効率化

システムの変更を行った際に、その変更が特定のユーザーにどう影響するかを確認するため、ユーザーから見た画面表示などを確認することができます。カスタマイズの結果や影響を直接確認することができ、設定ミスやデグレを防ぐため、品質向上とユーザー満足度の維持に大きく貢献します。異なる権限レベルの様々なユーザー環境での確認も素早く行えます。

セキュリティと利便性の両立

ユーザーのIDやパスワードを聞き出すことなく、管理者が直接ユーザーの環境に入り込むため、セキュリティリスクを抑止しながらサポートが行えます。また、すべての代理ログイン操作はログに記録されるため、監査証跡が残り、コンプライアンス要件も満たせます。組織のガバナンスを損なうことなく効率的なサポートが実現できます。

3. 代理ログインの設定方法

Salesforceの代理ログイン機能を使用するには、事前に適切な設定が必要です。設定方法は主に「組織全体設定」と「個別ユーザー設定」の2種類があります。組織全体設定では管理者が一括して全ユーザーへのアクセス権を得られ、個別設定では特定ユーザーが期間を指定して管理者にアクセス権を付与します。どちらも簡単な手順で設定可能であり、適切な権限を持つユーザーのみが代理ログイン機能を利用できます。セキュリティと利便性のバランスを考慮し、組織のポリシーに合った方法を選択しましょう。

管理者による組織全体設定方法

管理者でログイン

システム管理者権限を持つユーザーでSalesforceにログインします。これが代理ログインの基本前提条件です。

設定画面アクセス

画面右上の歯車アイコンをクリックし「設定」を選択、または「設定」リンクから設定画面に移動します

ログインポリシー検索

クイック検索ボックスに「ログイン」と入力し、表示される「ログインアクセスポリシー」を選択します。

全体設定有効化

「管理者は任意のユーザでログインできます」のチェックボックスをオンにして「保存」をクリックします。

ユーザーによる個別設定方法

ユーザーでログイン

アクセス権を付与したいユーザーが自身のSalesforceアカウントにログインします。

設定画面アクセス

画面右上のユーザー名または顔アイコンをクリックし、「設定」または「私の設定」を選択します。

アクセス許可画面表示

「アカウントログインアクセスの許可」を検索して選択します 。設定メニューから直接辿ることも可能です。

期間設定と保存

「アクセス期間」ドロップダウンから希望する期限(1日~1年)を選び、「保存」をクリックします。

代理ログイン実行手順

管理者でアクセス

システム管理者アカウントでSalesforceにログインし、「設定」画面を開きます。

ユーザーリスト表示

「ユーザー管理」→「ユーザー」を選択するか、クイック検索で「ユーザー」と入力して移動します。

代理ログイン実行

対象ユーザーの行にある「ログイン」リンクをクリックすると、そのユーザーとしてログインできます。

4.代理ログインのトラブルシューティング

代理ログイン機能を使用する際に発生しうる問題と、その解決方法を説明します。

ユーザー状態の確認

代理ログインしたいユーザーが「有効」であることを確認しましょう。無効なユーザーには代理ログインができません。必要であれば一時的にユーザーを有効化します。

アクセス権限の確認

ユーザー一覧で「ログイン」リンクが表示されない場合は、ログインアクセスポリシーの設定を確認するか、ユーザーに個別にアクセス許可を設定してもらいます。

エディション関連の問題

「ログインアクセスポリシー」が設定画面で確認ができない場合は、Salesforceサポートに連絡してください。

5.代理ログインのTips

代理ログイン機能を使用すると、デフォルトの設定では代理ログイン後にログアウトした際に自分のアカウントも一緒にログアウトされてしまうという問題があります。以下の設定変更により、代理ログイン後にログアウトした際も、自動的に管理者アカウントの状態に戻るようになり、再ログインの手間が省けます。

セッション設定アクセス

「設定」画面でクイック検索に「セッションの設定」と入力し、該当項目を選択します。

再ログイン設定変更

「ユーザーとしてログインしてから再ログインを強制する」のチェックを外し「保存」します。

効率化の効果

代理ログイン後にログアウトした際、再ログインなしで管理者アカウントに自動的に戻ります。

6. まとめ

いかがでしたでしょうか。

Salesforceにおける代理ログイン機能は、管理者がユーザーの視点でシステム状況を正確に把握できる重要なサポート手段です。トラブルシューティングの迅速化、設定ミスの検証、運用サポートの質向上など、日常業務に直結する効果を発揮します。

本記事で紹介した設定作業は比較的簡単で、導入後はわずか数クリックでユーザー環境にアクセスできます。また、代理ログイン後のセッション管理設定を最適化することで、作業の流れを途切れさせず、管理業務全体の効率を底上げできます。

ユーザーからの問い合わせ対応力を高め、システム運用の品質を安定させるためにも、代理ログイン機能を積極的に活用していきましょう。

7. お問い合わせ

現在Salesforceを効果的に活用できていない企業様や、これからSalesforceの導入を検討している企業様で、設定や運用、保守に関するサポートが必要な場合は、ぜひお気軽にご相談くださいませ!

    お問い合わせ目的

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