みなさん、こんにちは!
Salesforceエンジニアの森川です。
今回のテーマは、Salesforceの「商品スケジュール」です。
商品スケジュールの概要から、その重要性、そして設定方法まで、実践的な視点を交えて解説していきます。
商品スケジュールとは?
1. 商品スケジュールの定義
Salesforceの商品スケジュールは、商談で取り扱う商品の支払い時期や納入タイミングをあらかじめ設定し、定期的または分割で管理する機能です。この機能では、取引形態に合わせた柔軟な設定が可能となっており、具体的には「数量スケジュール」「収益スケジュール」「収益および数量スケジュール」の3種類の設定が用意されています。
たとえば、月刊誌や定期購読のように納入が定期的に行われるケースでは数量スケジュールを、大型商品の分割払いの場合は収益スケジュールを、そして支払いと納入の両方が定期的に発生する場合には収益および数量スケジュールを適用することで、各取引の特性に合わせた最適な管理が実現されます。
2. 商品スケジュールの主要なメリット
レコード管理の簡素化による運用負荷の軽減
定期納品や分割払いに際して、個別にレコードを作成する必要がなくなるため、手動作業が自動化され、運用の煩雑さが大幅に削減されます。これにより、担当者は定型的なレコード入力から解放され、より戦略的な業務に注力できるようになります。
正確な収益認識と納入計画の策定
支払い時期と納入タイミングが明確に管理されるため、定期購読や分割払いといった取引形態に合わせた収益認識が可能となります。これにより、在庫管理やキャッシュフローの計画が精密に行え、経営判断に役立つ正確なデータが提供されます。
リアルタイムな情報把握と迅速な対応
商品が商談に追加されるため、設定されたスケジュール情報が自動的に生成・反映されます。これにより、定期納品型の商品であれば、次回の納品日や支払い日がシステム上に明確に表示され、担当者はすぐに次のアクション(フォローアップ、配送確認、支払い確認など)を計画・実行できます。
3. 商品スケジュール設定のやり方
1. 商品スケジュールの設定
設定をクリック

商品スケジュール設定をクリック
クイック検索内にて「商品スケジュール」と検索し「商品スケジュール設定」をクリックします。

数量・収益スケジュールを有効化
数量スケジュールと収益スケジュールにチェックを付けます。

商品ページレイアウトに追加
有効化しただけではページレイアウトに項目は追加されません。ページレイアウトに対象の項目を3つずつ追加しましょう。

2. 数量スケジュールの設定
商品レコードを作成
今回は12回に分けて毎月納品するケースを想定し新規の商品レコードを作成します。「数量スケジュールの有効」「数量スケジュールタイプ」「数量スケジュール回数」「数量スケジュール期間」を設定します。

商品レコードの完成です。

価格表を商品に関連させる
価格表を商品に関連させるべくレコードを追加します。

価格表エントリレコードを作成

商品と価格表が紐づけられました。

3. 数量スケジュールの動作確認
商談レコードの作成
必須項目に情報を入力しレコードを作成します。

商品レコードを追加
商談と商品を紐づけます。

価格表の追加
価格表の選択ボタンをクリックし、対象の価格表を追加します。

サンプル商品を追加

数量を設定
100,000 / 1個 の商品を毎月納品したいので添付の通りに設定します。

商談と商品が紐づけられました。

スケジュールの確認
商品レコードよりスケジュールに遷移し確認をすると毎月1個納品するスケジュールが完成しました。

4. 収益スケジュールの設定
商品レコードを作成
今回は12回に分けて毎月請求するケースを想定し新規の商品レコードを作成します。「収益スケジュールの有効」「収益スケジュールタイプ」「収益スケジュール回数」「収益スケジュール期間」を設定します。

商品レコードの完成です。

価格表を商品に関連させる
価格表を商品に関連させるべくレコードを追加します。

商品と価格表が紐づけられました。

5. 収益スケジュールの動作確認
商品レコードを追加
商談レコードを事前に作成しておき、商談と商品を紐づけます。

サンプル商品を追加

数量を設定
1,200,000 / 1個 の商品を分割で毎月請求したいので添付の通りに設定します。

スケジュールの確認
商品レコードよりスケジュールに遷移し確認をすると分割で毎月請求するスケジュールが完成しました。

6. 数量・収益スケジュールの設定
商品レコードを作成
今回は12回に分けて毎月納品し、四半期ごとに毎月請求するケースを想定し新規の商品レコードを作成します。「数量スケジュールの有効」「数量スケジュールタイプ」「数量スケジュール回数」「数量スケジュール期間」「収益スケジュールの有効」「収益スケジュールタイプ」「収益スケジュール回数」「収益スケジュール期間」を設定します。

商品レコードの完成です。

価格表を商品に関連させる
価格表を商品に関連させるべくレコードを追加します。

7. 数量・収益スケジュールの設定
商品レコードを追加
商談レコードを事前に作成しておき、商談と商品を紐づけます。

サンプル商品を追加

数量を設定
1,200,000 / 1個 の商品を四半期ごとに請求したいので添付の通りに設定します。

スケジュールの確認
商品レコードよりスケジュールに遷移し確認をすると今回は12回に分けて毎月納品し、四半期ごとに毎月請求するスケジュールが完成しました。

4. まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事では、Salesforceの商品スケジュール機能が、数量スケジュール、収益スケジュール、収益および数量スケジュールの3種類の柔軟な設定を通じて、定期納品や分割払いといった多様な取引形態に最適な管理を可能にする仕組みを詳しく解説しました。これにより、個別のレコード作成作業が自動化され、常に最新かつ正確な支払い・納入情報がリアルタイムで把握できるため、迅速なフォローアップやアクションが実現され、正確な収益認識や在庫・キャッシュフロー管理が大幅に向上します。
特に、Salesforceアドミニストレーターの皆様にとっては、システムのカスタマイズ性と自動化機能を最大限に活用することで、日々の運用管理の負荷が軽減され、チーム全体のパフォーマンス向上や顧客満足度の向上に直結する強力なツールとなります。この記事が、皆様の業務改善と戦略的な運用管理に少しでもお役に立てれば幸いです。
5. お問い合わせ
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