みなさん、こんにちは!
Salesforceエンジニアの森川です。
今回のテーマは、Salesforceの「データインポートウィザード」です。
データインポートウィザードの概要から、その重要性、そして設定方法まで、実践的な視点を交えて解説していきます。
データインポートウィザードとは?
1. データインポートウィザードの定義
データインポートウィザードは、Salesforceにおけるデータ一括作成・更新のための標準機能です。インストール不要で、取引先、取引先責任者、リード、カスタムオブジェクトなどのデータを最大5万件までインポートできます。CSVファイルを用いて、Salesforce内の項目と外部データの項目を対応付けることで、効率的なデータ管理を実現します。
2. データインポートウィザードの主要なメリット
直感的な操作で簡単にデータをインポート可能
データインポートウィザードは、Salesforceの標準機能として提供されており、視覚的なインターフェースを活用して、プログラミングの知識がなくても簡単にデータをインポートできます。CSVファイルをアップロードし、Salesforceの項目とマッピングするだけで、データの作成や更新が可能です。特に、手作業でのデータ入力を効率化し、人的ミスを減らす点が大きなメリットです。
追加のソフトウェア不要で管理コストを削減
Salesforceに標準搭載されているため、外部ツールのインストールや設定が不要です。これにより、追加コストをかけずにデータのインポートを実行でき、ツールの管理負担も軽減されます。特に、アドミニストレーターが他部門のユーザー向けにツールの使用方法を説明する際も、Salesforce内で完結するため、トレーニングの手間を最小限に抑えられます。
最大5万件のデータを一括インポート可能で業務の効率化に貢献
手動でのデータ入力では、数百件以上のレコードを扱うのは非常に時間がかかりますが、データインポートウィザードでは、一度に最大5万件までのデータを処理可能です。これにより、定期的なデータ更新や新規顧客リストの登録など、大量データの処理をスムーズに行うことができます。また、一括処理によりヒューマンエラーを防ぐことができ、データ品質の向上にもつながります。
3. データインポートウィザードのやり方
1. データインポートウィザードの設定
設定をクリック
データインポートウィザードをクリック
クイック検索内にて「データインポートウィザード」を検索し、表示された「データインポートウィザード」をクリックします。
ウィザードを起動
「ウィザードを起動する」をクリックします。
オブジェクトを指定
今回はリードオブジェクトにレコードを挿入しますので、標準オブジェクト配下のリードを選択します。
処理内容を選択
今回は、Insertのため「新規レコードを追加」をクリックします。
Updateの場合は「既存のレコードを更新」、Upsertの場合は「新規追加レコードを追加および既存のレコードを更新」をクリックします。
一致条件を設定
どの項目をキーに新規レコードを追加するかを決定します。
今回はメールをキーにします。
※Upsertの場合、そのキー項目の値が既に環境に存在する場合はUpdate、存在しない場合はInsertになります。
CSVファイルを用意
サンプルのCSVを用意します。
CSVファイルをアップロード
用意したCSVファイルを選択し文字コードはUTF-8を選択し次へ。
マッピングの確認
対応付け列に赤字で「対応付けなし」と表記されています。これはInsert用のCSVファイルのA1セルがブランクだったことが原因です。このままでは正しくデータがInsertできないので、編集列の対応付けボタンをクリックし、正しくマッピングさせます。今回は「名」を設定します。
もし間違えて対応付けしてしまった場合は編集列の変更ボタンをクリックして先ほど同様の対応をしてください。
実行
想定したデータ数を確認し、インポートを実行します。
成功しました。内容を確認するために「一括データ読み込みジョブ」ページに遷移します。
一括データ読み込みジョブで確認
バッチ内を確認すると問題なく成功していることが確認できました。
実際にインポートされたファイルを確認するためには「結果を表示」をクリックします。
Success列がTRUE、CreatedがTRUE、Errorがブランクになっているので問題がありません。
2. 動作確認
レコード確認
実際の環境を確認しても問題なくインポート対象のレコードがInsertされていました。
完成
4. まとめ
データインポートウィザードは、Salesforceの標準機能として、データ管理の効率化と精度向上を実現する重要なツールです。視覚的なインターフェースを備え、プログラミング不要でCSVファイルを用いた一括データ登録・更新が可能なため、アドミニストレーターの業務負担を大幅に軽減します。
特に、最大5万件のデータを一括処理できる点は、定期的なデータ更新や新規リストの取り込みを迅速化し、手作業による入力ミスのリスクを低減します。また、データの重複検出機能を活用することで、クリーンなデータベースを維持し、組織全体のデータ品質を向上させることができます。さらに、標準オブジェクトだけでなくカスタムオブジェクトにも対応しており、企業ごとの業務プロセスに合わせた柔軟なデータ管理が可能です。
アドミニストレーターにとって、Salesforce内のデータを適切に管理することは、システムの運用効率を高めるだけでなく、組織全体の意思決定にも大きな影響を与えます。データインポートウィザードを効果的に活用し、正確で一貫性のあるデータ管理を実現しましょう。
5. お問い合わせ
現在Salesforceを効果的に活用できていない企業様や、これからSalesforceの導入を検討している企業様で、設定や運用、保守に関するサポートが必要な場合は、ぜひお気軽にご相談くださいませ!