みなさん、こんにちは!
Salesforceエンジニアの森川です。
今回のテーマは、Salesforceの「フロー」です。
フローの概要から、その重要性、そして設定方法まで、実践的な視点を交えて解説していきます。
フローとは?
1. フローの定義
フローはSalesforce内の業務プロセスを自動化するための強力なツールです。視覚的なドラッグ&ドロップ操作を利用して、プログラミングスキルなしで複雑なロジックや条件を設定し、自動化プロセスを設計できます。その目的は、Salesforce内外での情報収集、レコードの作成や更新、データ処理などの手順を効率的に構築することで、業務をスムーズに進めることです。
2. フローの主要なメリット
自動化による業務効率の向上
Salesforceフローを活用することで、反復的で時間のかかる手動プロセスを簡単に自動化できます。たとえば、顧客データの入力や更新、承認プロセスの管理、メール通知の送信などを効率化できます。これにより、時間を節約し、エラーを減らしつつ、正確なデータ管理を実現します。こうした自動化を設定することで、組織全体の生産性を向上させることができます。
直感的で使いやすい構築インターフェース
Salesforceのフローは、ドラッグ&ドロップ操作でプロセスを構築できるため、コーディングスキルがなくても複雑なワークフローを作成可能です。特に、アドミニストレーター初心者にとって、フローの視覚的な設計ツールは使いやすく、学習時間を短縮できます。これにより、短期間で業務改善や新しいプロセスの導入を実現できるようになります。
柔軟なカスタマイズと拡張性
フローは、ビジネスの成長や変化に対応しやすい柔軟性を備えています。業務要件に応じて、トリガー条件や分岐ロジックを追加したり、既存のフローを調整して新しいニーズに対応可能です。たとえば、新しいプロセス要件が発生した場合でも迅速に修正・拡張できるため、組織の変化に適応しやすくなります。
3. フローのやり方
1. フローの設定
設定をクリック
今回は、ユーザーから取引先責任者情報を取得し、それに基づいてSalesforceで一致するレコードを検索し、更新または新規作成を行います。
フローをクリック
クイック検索内にて「フロー」を検索しクリックします。
その後に画面右上の「新規フロー」をクリックします。
フロー内の「+」をクリック
赤枠で囲った箇所をクリックします。
ユーザーが入力する画面を設定
プロパティ内に情報を入力いたします。
フロー情報を設定
画面右上の保存ボタンをクリック後に、プロパティ内にフロー情報を入力いたします。
リソースを設定
ツールボックスを表示させ取引先責任者のリソースを作成いたします。
「名前」を画面キャンバス内にドラッグ
ユーザーが画面で取引先責任者情報を入力するためのフォーム項目を作成するために、コンポーネント内で「名前」を検索し、画面キャンバスにドラッグいたします。
また必須入力箇所と「姓」と「名」も添付のように入力いたします。
コンポーネント内で「選択リスト」を検索し、画面キャンバスにドラッグいたします。
API参照名を「account」に設定いたします。またレコードの絞り込み条件を設定せず全レコードを検索対象とします。
「Name」を選択肢ラベル、データ型を「Text」、「Id」を選択肢の値として設定します。その後、選択した取引先のIDを「contact」レコード変数の「AccountId」に保存し、設定を保存します。
「切り替え」を画面キャンバス内にドラッグ
コンポーネント内で「切り替え」を検索し、画面キャンバスにドラッグいたします。
その他情報も入力いたします。
レコードを取得
ユーザーが入力する名前と一致する既存の取引先責任者をクエリするレコード取得要素をフローに追加します。対象のオブジェクトはもちろん取引先責任者です。絞り込みは添付画像のように設定いたします。
フローをブランチ
決定要素を追加してフローに2つのブランチを作成いたします。一つは既存のレコードを更新し、もう一方は取引先責任者レコードを新規で作成いたします。
既存レコード更新の条件は「If this contact already exists, update the existing record.」の値がTRUEかつ「Find a Match 取引先責任者」の値がTRUEの条件を設定いたします。
もう一方は取引先責任者レコードを新規で作成するために「Create New」を設定いたします。
レコード作成要素を設定
レコード作成要素を追加いたします。添付画像のように情報を入力してください。
割り当て要素を追加
Contact ID (取引先責任者 ID)とFind a Match からの取引先責任者)が一致するように設定いたします。
完成
2. 動作確認
レコード作成
名、姓とAccountに情報を入力し、新規でレコードを作成してみます。
完成
問題なくレコードが作成できました。
4. まとめ
いかがでしたでしょうか。
Salesforceのフローは、単なる自動化ツールにとどまらず、業務プロセスを効率化し、データ管理を改善するための強力なパートナーです。視覚的で直感的な設計は、技術的な知識が少ないアドミニストレーターでも利用しやすく、日々の業務に革新をもたらします。
特に、ノーコードでの柔軟なカスタマイズ機能や、複雑なプロセスを簡単に構築できるインターフェースは、組織の成長や変化に迅速に対応するための鍵となります。反復作業の効率化にとどまらず、データの一貫性を保ち、正確性を高めることで、組織全体の生産性向上を支援します。
競争が激化するビジネス環境で優位性を維持するためには、こうした最新ツールをどのように活用し、適応させるかが重要です。Salesforceフローを最大限に活用し、業務プロセスの新たな可能性を切り開いていきましょう。
最後に、現在Salesforceを効果的に活用できていない企業様や、これからSalesforceの導入を検討している企業様で、設定や運用、保守に関するサポートが必要な場合は、ぜひお気軽にご相談くださいませ!
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