【アドミニストレーター必読!】Salesforceレコードタイプの極意

【アドミニストレーター必読!】Salesforceレコードタイプの極意

みなさん、こんにちは!
Salesforceエンジニアの森川です。
今回のテーマは、Salesforceの「レコードタイプ」です。
レコードタイプの概要から、その重要性、そして設定方法まで、実践的な視点を交えて解説していきます。

レコードタイプとは?

1. レコードタイプの定義

Salesforceのレコードタイプは、オブジェクトのレコードに異なるビジネスプロセス、ページレイアウト、および選択リスト値を適用するための強力なカスタマイズ機能です。これにより、1つのオブジェクトを複数のユースケースに対応させることが可能です。たとえば、商談オブジェクトでは「新規顧客向け」と「既存顧客向け」のレコードタイプを作成し、それぞれに異なる営業プロセスや項目を設定できます。さらに、レコードタイプはプロファイルに基づいて割り当てられるため、ユーザーごとに必要な選択肢やページレイアウトのみを表示できます。これにより、入力ミスを防ぎ、業務プロセスの効率化を実現します。認定試験の視点では、レコードタイプを活用した設定方法やプロファイルとの連携が問われるため、実際のユースケースを理解しておくことが重要です。

2. レコードタイプの主要なメリット

ビジネスプロセスの多様化に対応

レコードタイプを使用することで、1つのオブジェクトで複数のビジネスプロセスを効率的に管理できます。たとえば、商談では「新規顧客」と「既存顧客」のプロセスごとに異なる商談ステージを設定可能です。これにより、業務内容や取引先の種類に応じたプロセス管理が実現します。さらに、異なる部門間で同じオブジェクトを共有しながら、各部門のニーズに合わせたプロセスを運用できるため、組織全体の業務効率が向上します。

ユーザーごとのカスタマイズ

レコードタイプをプロファイルに基づいて割り当てることで、各ユーザーグループに適したページレイアウトや選択リストの値を提供できます。これにより、ユーザーは必要な情報だけにアクセスでき、余分な項目を排除できます。たとえば、営業部門のユーザーは商談関連の項目に集中でき、サポート部門はケースに関連するレイアウトを使用可能です。これにより、ユーザーの操作性が向上し、業務効率も高まります。

データの一貫性と精度の向上

レコードタイプごとに選択リスト値や入力ルールをカスタマイズすることで、ユーザーが適切な情報を入力しやすくなり、データの正確性が向上します。たとえば、新規商談では「見込み顧客」と「成約見込み」のみ選択できるようにし、他の不要な選択肢を排除します。これにより、ユーザーが間違ったデータを入力するリスクを減らし、一貫性のあるデータ品質を維持します。また、これがレポートや分析の精度向上にも寄与します。

3. レコードタイプのやり方

1. レコードタイプの設定

設定をクリック

オブジェクトマネージャーで操作いたします。

レコードタイプの新規ボタンをクリック

今回は取引先責任者オブジェクト内に作成いたします。

プロファイルとページレイアウトのマッピング

やり方は2種類あります。
一つ目、全プロファイルに対して同じページレイアウトを使用する場合はこちらを選択いたします。

二つ目、プロファイルごとに異なるページレイアウトを使用する場合はこちらを選択いたします。

今回は、二つ目のプロファイルごとに異なるページレイアウトを設定いたします。
開発保守ユーザー1のみ異なるページレイアウトを設定いたします。

2. 動作確認 その1

プロファイル「システム管理者」はこちらのページレイアウトが表示されました。

プロファイル「開発保守ユーザー1」はこちらのページレイアウトが表示されました。
※開発保守ユーザー1で設定したページレイアウトは項目「取引先責任者」と「電話」の位置を入れ替えておりました。

+α の機能 その1

これまではページレイアウトの表示を変える方法を記載しましたが、選択肢の違いを表示させる方法についても記載いたします。
先ほどと同様の流れでレコードタイプを新規で作成し、項目「敬称」の選択肢を変えます。

選択肢を修正いたします。

開発保守ユーザー1のページレイアウトは同じものとします。
※こちらの編集方法については後述いたします。(+α の機能 その2 を参照ください。)

動作確認 その2

レコードを作成したときにレコードタイプを選択することができるようになりました。
まずは①を選択いたします。

デフォルトの選択肢がいくつも表示されました。

続いて、➁のレコードタイプを選択すると、先ほど設定したように一つの選択肢のみが表示されました。

+α の機能 その2

ページレイアウトの割り当て

割り当てはページレイアウトまたはレコードタイプの画面にて編集が可能です。

割り当ての編集をクリック
使用するページレイアウトをクリック

ページレイアウト名を選択することで、紫色にハイライトがかかります。
その上で使用するページレイアウトを選択いたします。

完成

保存をしたら編集完了です。

4. まとめ

いかがでしたでしょうか。

Salesforceのレコードタイプは、組織の多様な業務ニーズに応える柔軟な機能です。一見すると単なるカスタマイズの一部のように思えるかもしれませんが、実際には、異なるプロセスや業務フローを1つのプラットフォーム上で統合し、効率化する鍵となる存在です。

さらに、プロファイルごとの設定を活用することで、ユーザーが必要な情報だけにアクセスできる環境を提供します。これは、操作の煩雑さを解消し、ユーザーの生産性を高める重要な要素です。同時に、選択リスト値をレコードタイプごとに調整することで、データの一貫性が確保され、正確なレポートや分析を可能にします。

こうした機能を最大限に活用することで、レコードタイプは単なるツールの枠を超え、組織の業務効率化やデータ活用を後押しする戦略的な役割を果たします。Salesforceアドミニストレーターとして、この機能を駆使し、より効果的な業務フローとユーザー体験を設計していきましょう。

最後に、現在Salesforceを効果的に活用できていない企業様や、これからSalesforceの導入を検討している企業様で、設定や運用、保守に関するサポートが必要な場合は、ぜひお気軽にご相談くださいませ!

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