みなさん、こんにちは!
Salesforceエンジニアの森川です。
今回のテーマは、Salesforceの「権限セットグループ」です。
権限セットグループの概要から、その重要性、そして設定方法まで、実践的な視点を交えて解説していきます。
権限セットグループとは?
1. 権限セットグループの定義
権限セットグループは、Salesforceにおいて、複数の権限セットを一つのグループにまとめて、ユーザーに簡単に割り当てるための機能です。通常、権限セットはユーザーに対して個別に割り当てられるものですが、権限セットグループを使用することで、複数の権限セットを一度に管理できるようになります。
権限セットグループを作成することで、特定の業務やロールに応じた一連の権限をまとめ、ユーザーに効率的に付与することができます。
2. 権限セットグループの主要なメリット
管理の効率化
権限セットグループを使用することで、個別に権限セットをユーザーに割り当てる手間が省けます。たとえば、特定の部署や役割に応じた権限セットが複数ある場合、それらをグループにまとめて割り当てることで、一度の操作でユーザーに適切な権限を付与できます。これにより、管理者の作業負担が大幅に軽減されます。
権限のカスタマイズ
権限セットグループには「ミュート機能」があり、これにより特定の権限をグループ内で無効化(ミュート)することができます。たとえば、あるユーザーにはグループ全体の権限が必要だが、一部の権限は不要な場合、その権限をミュートしてカスタマイズが可能です。権限セット単体ではミュート機能が使えませんが、権限セットグループを通じてこの機能を活用することで、さらに柔軟に権限管理を行うことができます。
権限の一貫性
複数の権限セットをまとめることで、特定の役割に応じた一貫した権限の付与が可能になります。個別の権限セットをミスなく付与できるため、組織全体でのセキュリティやコンプライアンスを確保しやすくなります。また、ユーザーごとに権限がばらつくリスクも減少します。
3. 権限セットグループのやり方
1. 権限セットの設定
設定をクリック
画面右上の設定をクリック
![](https://low-code-media.com/wp-content/uploads/2024/08/1.png)
クイック検索内にて「権限セット」と検索
表示された画面上より新規作成をする。
今回は、取引先オブジェクト権限を持つ権限セットと商談オブジェクトに権限を持つ権限セットの2つを用意します。そもそもの権限セットを作成する手順はこちらをご参照ください。
![](https://low-code-media.com/wp-content/uploads/2024/10/2-1.png)
取引先オブジェクト概要
![](https://low-code-media.com/wp-content/uploads/2024/10/3-1.png)
商談オブジェクト概要
![](https://low-code-media.com/wp-content/uploads/2024/10/4-2.png)
2. 権限セットグループの設定
クイック検索内にて「権限セットグループ」と検索
表示された画面上より新規作成をする。
![](https://low-code-media.com/wp-content/uploads/2024/10/5-1.png)
必要な情報を入力してください。
![](https://low-code-media.com/wp-content/uploads/2024/10/6-1.png)
「グループ内の権限セット」をクリック
作成した権限セットグループに権限セットを追加します。
![](https://low-code-media.com/wp-content/uploads/2024/10/7-1.png)
「権限セットを追加」をクリック
画面中央の「権限セットを追加」をクリック
![](https://low-code-media.com/wp-content/uploads/2024/10/8-1.png)
追加したい権限セットをチェック
事前に作成していた権限セット2つを追加しましょう。
![](https://low-code-media.com/wp-content/uploads/2024/10/9-1.png)
![](https://low-code-media.com/wp-content/uploads/2024/10/10-1.png)
「グループ内のミュート権限セット」をクリック
続いて、権限セットをミュートする設定をします。
![](https://low-code-media.com/wp-content/uploads/2024/10/11-1.png)
「新規」をクリック
画面中央の「新規」をクリック
![](https://low-code-media.com/wp-content/uploads/2024/10/12-1.png)
必要な情報を入力してください。
![](https://low-code-media.com/wp-content/uploads/2024/10/13-1.png)
ミュートをするためのアクションを作成できました。
![](https://low-code-media.com/wp-content/uploads/2024/10/14-2.png)
ミュート設定の対象を決める
続いて、具体的に何の設定をミュートにするか設定します。
![](https://low-code-media.com/wp-content/uploads/2024/10/15-1.png)
今回は商談オブジェクトのアクセス権をミュートにします。
![](https://low-code-media.com/wp-content/uploads/2024/10/16-1.png)
![](https://low-code-media.com/wp-content/uploads/2024/10/17-3.png)
「割り当ての管理」をクリック
作成した権限セットグループを誰に割り当てるか設定します。
![](https://low-code-media.com/wp-content/uploads/2024/10/18-1.png)
「割り当てを追加」をクリック
画面右側に表示された「割り当てを追加」をクリック
![](https://low-code-media.com/wp-content/uploads/2024/10/19-1.png)
割り当て対象のユーザーをチェック
割り当て対象のユーザーをチェックします。
グループは選択できませんのでご注意ください。
![](https://low-code-media.com/wp-content/uploads/2024/10/20-1.png)
有効期限オプションを選択
選択したユーザーに対していつまで権限セットグループを適用するのか設定します。
![](https://low-code-media.com/wp-content/uploads/2024/10/21-1.png)
完成です。
![](https://low-code-media.com/wp-content/uploads/2024/10/22-1.png)
2. 動作確認
アプリケーションランチャーで検索
プロファイル上では取引先オブジェクトと商談オブジェクトの権限がないユーザーですが、
権限セットグループにより権限が付与されています。
ただ、商談オブジェクトは先ほどミュート設定しているので、アプリケーションランチャーより検索をしても商談オブジェクトは検索にヒットしません。
![](https://low-code-media.com/wp-content/uploads/2024/10/23-1.png)
対象オブジェクトのミュート済みの設定を解除
商談オブジェクトのミュート済みの設定を解除します。
![](https://low-code-media.com/wp-content/uploads/2024/10/24-1.png)
アプリケーションランチャーで再検索
商談オブジェクトが検索できました。
![](https://low-code-media.com/wp-content/uploads/2024/10/25-1.png)
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事を通じて、Salesforceの「権限セットグループ」の概要と効果的な活用方法について理解を深めていただけたと思います。
権限セットグループは、複数の権限セットを一つのグループにまとめることで、権限管理を効率化する機能です。この機能を活用することで、特定の役割に応じた権限付与が簡単になり、組織全体での運用もスムーズになります。また、権限を一括で調整することでセキュリティリスクを低減し、コンプライアンスの強化も図ることができます。
特に、組織の成長や変化に応じて権限を柔軟に管理できるため、ユーザーのアクセス制御や役割の明確化が容易になります。権限セットグループを導入することで、複雑な権限管理を簡素化し、管理ミスを防ぐことができる点も非常に大きなメリットです。
これを機に、権限セットグループを効果的に活用し、Salesforce環境における業務効率化とセキュリティの強化に役立ててみてください。
5. お問い合わせ
現在Salesforceを効果的に活用できていない企業様や、これからSalesforceの導入を検討している企業様で、設定や運用、保守に関するサポートが必要な場合は、ぜひお気軽にご相談くださいませ!